介護職の人がかかりやすい職業病としてはいくつかの種類があげられます。その中でも特に気をつけたいのが、「バーンアウト」というものです。バーンアウトは「燃え尽き症候群」とも呼ばれており、これまでは仕事などの何かに没頭していた人が、突然燃え尽きたかのようにやる気を失ってしまうことを言います。やる気を失うだけならまだよく、社会に適合できなくなり対人関係も避けるようになる場合もあります。さらに重いと、家庭崩壊を招く原因にもなりえる他、最悪の場合は自殺や過労死という結末を迎えることもあります。

バーンアウトは誰でも陥る可能性がありますが、とりわけ発症しやすいタイプの人がいます。職業で言えば、介護職をはじめとする対人サービスを職業としている人は、他の職業に就いている人と比べると発症しやすい傾向にあるようです。時にはマニュアルには載っていないオリジナルの方法でサービスをし、時には相手がたとえクレーマーであっても要望通りにしなければと奮闘する。それ自体は悪いことではないのですが、積み重なると心身が限界を迎えてしまうのです。

個人の気質で言えば、真面目で頑張りやな完璧主義者の人が発症しやすい傾向にあります。前述した内容とも関わってきますが、求められる以上に成果をあげようとする、完璧に仕事をやり遂げなければ気が済まない、このような人は要注意です。また、頑張りやの人には志が高い人も多いです。志が高ければ高いほど、理想通りにできなかった際に心が折れて発症してしまうケースもあります。思い当たる節がある人は、十分な睡眠時間を確保して心身を休め、仕事で失敗してもできなかった自分を責めないように心がけましょう。